素案(改訂)に対する意見(2)


                                          2009年1月26日

1.はじめに


 急病によって第3回審議会を欠席しましたので、文書にて意見をのべます。
なお第1回後の発言・意見書や、第2回審議会での発言と重なる記述がありますが、修正・加筆された「新素案」全体の構成や考え方に関わりますので、ご了解をお願いいたします。

1.今回提案された「素案」は第2回の会議でも発言したとおり、内容も充実し、また表現もおおむね適正なものになっていると思われます。修正、改訂に当たられた事務局の方々のご努力に心から敬意を表します。

2.審議会の性格と「第5次総合計画」の策定への過程について

(1)第2回審議会で、審議会開催の期間を延長しても、町民の意見を取り入れ、充実したものとして町長への答申とすべきではないかという問題提起については、何人かからの「消極的反対」意見によって、結果として否定され3月までに予定通り答申することになりました。
 今後の審議会では、この点は蒸し返すつもりはありませんが、町の総合計画の最上位の計画をきめる作業にあたっているわけであり、「情報公開を重視し町民に開かれた町政を指向し町民参加による町政を目指す」というのであれば、ある程度時間をかけて納得のできる策定作業をすすめるべきであるという意見を表明したことは記録にとどめておいていただきたいと思います。

(2)総合計画の位置づけとして、第2回審議会で平林室長から「この計画は町の基本計画であり、これまでの計画・プランなどと齟齬が生じるような場合にはそれらが修正されることも当然あり得る」という発言がありました。これは至極当然なこととはいえ、本計画の位置づけとしてきわめて大切な点ですので、あえて強調しておきたいと思います。

3.第2次素案の全体構成について

(1)第4章「基本構想」が大幅に加筆修正され、とくに「重点施策」があらたに盛り込まれました。「重点施策」を盛り込むこと自体は賛成できるし、ここに記載されたかなりの部分は、きわめて重要な内容をもっていると思われます。それだけに、記載の方法と全体計画との関わりについてもう少し時間をとった議論が必要だったのではないでしょうか。
 さらに、重点施策の盛り込み方にも、あと少し工夫が必要だと思われます。
 第2回審議会の席上で「『土地利用計画』と『元気と魅力あふれるまちづくりの実現』は二つの重点」である旨の説明がありました。そうであるならばそれにふさわしい表現が工夫されるべきではないのかということです。
 原案のままでは、この第5次総合計画が「国土利用計画」や「池田町都市計画マスタープラン」および「池田町まちづくり推進プラン」などの単なる実行プランとしてしか位置づけられなくなってしまいます。
第5次の重点はその内容の深化と現実的な年次計画の策定、その具体的な実行にあることを明確にする必要があります。したがって、「別記1」のような表現とすることを提案します。
なお、12〜15ページの図表、解説などは前後の文章表現とマッチするように要点を整理をし、資料として別記する方がいいように思われます。

以上は、これまでの審議の経過をふまえての表現上の改善要望であって、もう少し踏み込んで意見を述べさせていただければ、「重点施策」に対する私の意見は次のようなものになります。
 本来「重点」とすべき施策は「理念」「基本目標」を実行するために、最も「核になる施策」のことです。そして、この「核になる施策」とは「それを実行する中で、その他の課題も実現されていくという最も中心的な施策」に他なりません。
これまでの10年間の基本計画の総括から、今後10年を見通して、我が池田町の発展のカギとなる施策の重点を吟味・策定することこそ、今次計画の要であるといえます。
そこで、「重点施策」についての私なりの一つの構想を「別記2」として記載しました。

(2)「第4章 基本構想」の「1将来指標」は情勢分析と課題という位置づけになっています。将来指標が人口と土地利用に限定されているのは「第3章 計画の背景」からみてもかなり一面的です。
「第3章 計画の背景」はどちらかというと、現状分析に力点が置かれていると同時に将来の見通しにも触れていますから、「第4章 基本構想」の「1将来指標」はこちらに整理統合し「第3章 計画の背景と将来指標」とし、第4章はあくまで「理念」からはじめて基本計画の本体を記述するという展開の方がすっきりし、理解しやすいと思われます。

(3)前回質問しませんでしたが、P17 〜P28の基本目標1〜5と別冊の基本目標1〜5とはどのようなかかわりになるのでしょうか。
別冊の基本目標については、これまでの成果と今後の目標の区分けが明確ではなく、章立てとしても「第4次の成果」と「第5次の課題と目標」を切り離して明確にすべきです。
対応策についてはあくまで近い将来を見通した具体的な課題・数値目標であり、さらに検討を要するもので、ここでは重点的にどうしても到達すべき課題と目標を明らかにした方が計画としての整合性があると思われます。

4.各論について

(1)p1 第1章 計画の趣旨 「より経営的な視点」について

第2回審議会では検討の結果「より経営的な視点に立ち」という考え方は行財政改革について有効な視点であり、このまま生かしたいとの提案がありました。私の基本的な考えは第一回で示した通りであり、現在も何ら変わりません。ただ、審議会でこれ以上蒸し返しても生産的な議論にはなりませんので、あらためて基本的な考えをのべ、こうした異論があったことは正しく記録されるように要望します。
自治体が財政改革・行政改革を進める場合に、基本的立場は「住民奉仕」であり、それ以外ではあり得ません。
あくまで一例ですが、「議会の議員定数を削減する」というのは行政が「経営的な視点に基づき」「自ら身を削って範を示す」施策になるのでしょうか。「町議会」はいわば地方政府の立法府であり、議会制民主主義の土台をなす制度です。従って「定数削減」は議会制民主主義の自殺行為であって「経営的な視点」などから持ち出されるべきものでないことは明白です。
「福祉制度」「保育制度」などにどのようにして「経営的視点」を持ち込むのでしょうか。
概念やその具体的内容が明確になっていない用語を用いて、誤解を招いてはいけないと思います。
 くりかえしになりますが、町政の視点はあくまで「住民に奉仕する」という立場であって、営利を目的にする「経営的視点」ではありません。住民奉仕の立場から、無駄をはぶき、効率的な運営をすすめることは十分可能であり、その立場を堅持してこそ、あらたな住民負担を求めるような局面に立ち至っても乗り越えることが可能なのではないでしょうか。ひところ喧伝された「民営化」の手法や、「経営的視点」は、今日の経済危機の打開には無力であり、むしろ、徹底して情報公開し、町民の力を集中して協働の町づくりをすすめることの中に現在の困難を乗り越える鍵があると考えます。

(2)P8 下から7行目
「しかし高齢者が〜仕組みをつくる必要があります」
ここでは高齢者とひとくくりにのべていますが、60代〜70代の高齢者の場合は、社会貢献というだけでなく、「高齢者の仕事の創造と生き甲斐づくり」という視点も明確にしていく必要があると思います。これから若年層だけでなく、むしろ高齢者でなければできない観光部門や加工・食品などの業種での活躍ができる場をひろげ、それと町づくりとを結合することが求められる時代になると思われます。

(3)p11 2 基本理念
「子どもから大人まで池田に住んでいる人全てが、地域の歴史や文化、自然に親しみ〜」
「親しみ、」のあとに「それを守り育て」を加える。
これからの池田町の施策の基本に座らなければならないのは、単に歴史や文化、自然に親しむだけではなく、もっと積極的にそれらを守り育てていく観点が是非とも必要です。
  自然の生態系に守られて今日の人々の生活が成り立っている自覚と自然と共生して生きる豊かな人間像こそ次世代に引き継ぐべき理念の一つではないのでしょうか。

以下、別冊の基本目標1〜5についての意見です。

基本目標1
p2 (1)自然資源の保全
 課題と対応として、景観育成住民協定の締結を推進し、すみやかに土地利用の具体化を土台とした池田町景観条例の制定を行うことを明記すべきです。
また、自然資源の保全については、「貴重な財産として、保全、活用に努めます」という一般的、抽象的な表現ではなく、広津・陸郷の里山、森林の保全、桜や景観を守る地元の取り組みへの支援、林業の可能性の研究と支援にも踏み込んだ、もう少し具体的な計画が必要だと思われます。

p7 (6)環境衛生
 ゴミの減量化を促進する必要は論を待ちませんが、有機物の堆肥化をさらに促進し、池田町にふさわしい土作りを一つの産業として研究・推進することも考えられないでしょうか。宮崎県綾町の経験から学ぶべきことがいくつもあると思われます。

p8 公園、緑地の整備
 公園、緑地の整備には二つのアプローチが必要です。一つは現在の公園とその近隣の施設を拡充、整備すること、もう一つは、大胆に「花と緑のまちプロジェクト」(仮称)をもとに新しい動きを作り出すことです。
私なりにNPOを中心とした一つの大きなプロジェクトの構想を持ってはいますが、町民と行政が結んで一つのイメージをつくって町づくりをすすめることの意義はきわめて大きなものがあると私は考えています。
今後10年で池田町を全国に知らしめるほどのインパクトがあるはずです。この計画でそこまでふみこめるかどうか。「花いっぱい運動」を高齢者の領分のようには位置づけないでほしいものです。

基本目標2
p4  (2)学校教育の充実
学校給食については、地元の有機野菜栽培への取り組みを促進し、地産地消をいっそう推進し安全で安心した食育を展開できるようにすることを明確にすべきです。
また、耐震診断と補強工事を急ぎ、子どもたちが安全に通学できる条件を整備することも急務です。
小中学校と公的な施設にAEDの設置をすすめることや、それを扱える人材を飛躍的に増やすことが必要です。
さらに、「情報公開」の名の下に、全国学力テストの結果公開が一部自治体で広がりをみせていますが、むしろ学力競争を一層ひろげ、真の学力獲得の妨げになることが懸念されます。より長期的には、テスト自体への参加の可否をふくめ十分な検討が必要であると考えます。

p5  (3)生涯教育のまちづくり
文化財については、単に史跡、寺社、仏像などに限定せず、もっとひろく歴史的な石仏、建造物なども範疇に加えて修復、保存に関わっていく必要があります。とくに道祖神、石仏については、あと数年もすれば崩落、自然破壊が進むおそれのあるものも多数あり、保存に向けた具体的取り組みが早急に求められています。
そして、これらを保存するだけではなく、町民の共有財産として将来に残せるような文化的な取り組みもあわせて追求されるべきです。(道祖神まつり、石仏まつりなど)

基本目標3
p4  (3)農業の振興
ここでは、「集落営農、担い手農家の育成」「担い手の高齢化」という課題はあっても、農業人口をどのように確保し、若い世代に農業を後継していくかと言う視点は見あたりません。それだけに難しい課題ではあると思われますが、これぬきに10年後の農業はないのではないでしょうか。
「農業に未来がある」と感じなければ若手は育たず、日本の農業は荒廃するだけです。どれだけ環境保護を訴え、それに資金を投入しても担い手のない農地は荒れるだけです。場合によっては農業以外の目的で企業が参入、いっそう農地を寸断することになりかねません。
したがって、他市町村でも積極的に取り組みをはじめているように、さまざまな形で若い農業者を育成する方策、農業に参加する仕組みをつくりあげることが急務です。米作りだけではなく果樹、野菜をはじめ、池田町にふさわしい農業をこの10年で実らせる方向を検討していくことが望まれます。

p5  (4)林業の振興
農業、林業は世界の食糧・木材需要が逼迫する近未来においては格別に貴重かつ持続可能な産業となります。間伐だけでなく、林業が産業として育成されるように長期的視野に立ってさまざまな研究、対策を実行する必要があると思われます。

p8  (7)観光の振興
小冊子では記載されていませんが、(素案)P23には、「まずは、観光は産業であるという認識を持ち」という表現があります。本当にそうなのでしょうか。「観光立県」「観光立国」など、現在はどの村も町も「観光」を押し出し、地域興しを模索しています。そのような中で池田町の「観光」に独自性があるとすれば、それは何なのか。何が魅力になり何か観光として押し出していけるポイントになるのでしょうか。
誰しも、「北アルプスの景観」を筆頭にあげるでしょう。次に最近脚光を浴びてきている陸郷や桜仙峡の「山桜」があげられます。
数年前に東京から移転した私の見方は少し違います。確かに北アルプスの景観はすばらしいものがあるし、山桜も見事です。しかし、それだけでは本当に観光には結びつかないと私には思えてなりません。なぜなら、曇っていたり雨がふったりすれば北アルプスはみえず、山桜の季節は短いからです。
一年を通して、池田町が多くの人々の心に残る町、もう一度訪れてみたい町、さらには住みたい町であるための条件というのは何か、それはまわりにどの町にもない自然の美しさがあふれていることなのではないでしょうか。
これからの10年間は間違いなく全国的には経済的にきわめて苦しい時期と重なります。そうしたときに人々が求めるのは訪れる人の心にしみこむような美しい町のたたずまい、花や木々のもてなしです。そのときに北アルプスの遠景、山桜の景観は一層華をそえるものとなるのであって、それ以外ではありません。
したがって、第一に観光とは住む人がいちばん心安らぎ、その中で生活したいと切望し、後世に残したいと思う環境に他なりません。
「観光は産業である」という観点を前面に押し出した観光対策は間違いなく破綻するでしょう。そうではなく、あくまでそれは結果としてついてくるものであって、池田町にとっては産業をめざす観光などどれほどの魅力もありません。
ガイドマスターは産業としてやっているのではなく、あくまでそれぞれが池田町でのウオーキングの楽しさやガイドすることに魅力を感じて集まりこれまで活動を持続させてきたのです。それが昨年のウオーキングの行事に結実し、今年の行事へとむすびついてきているのです。
「たくさんの人は来たけれど、どれだけ金を落としていったのか」という意見があったことを聞きましたが、ものの順序を全く理解しないか、為にする議論です。一生懸命にそれに取り組んできた人たちは、まずどれだけ儲かったかとか、どれだけの経済効果があったかということを考えて計画し実行していたわけではありません。先のような意見を述べた人はおそらくイベントを眺めてただ評論していただけなのではないでしょうか。
私自身は、名古屋からのクラブツーリズムの客に対してウオーキング中間地点(我が家の前)で、ハーブティーのもてなしをしました。「経済効果」「経営的視点」にたてば、全く別の取り組みになったのでしょうが、私はあえて実費程度を受け取ることしか考えませんでした。それでも3000人のうち半数を超える人たちが一杯100円のハーブティーを購入してくれたのです。約20万円の売り上げのうち必要経費を除いてすべてガイドマスターの活動費として計上しましたが、これには何人もの人たちが身銭を切ってボランティアで参加してくれました。
残念ながら、自治会単位でこうした取り組みを進めるまでにはなっていません。町に来てくれる客に対して、損をしない程度の実費でもてなしをすることは、景観という共有財産を分かち合うことであり、楽しみをともにするということであって、そこにこれからの新しい観光の道筋があります。
これまでのガイドマスターを中心とするウオーキングの取り組みから何を総括し、何を今後10年の課題とするかがこの一年でまさに問われていると私は考えています。
さて、そこで、私なりの観光推進の課題の中心についてあらためてまとめてみます。
これまでの審議会でも強調しましたが、さしあたり観光推進本部、観光協会を中心とした観光推進体制については、スタッフの拡充が最大の課題です。これなしには残念ながらどのような仕組みもうまくすすまないでしょう。第2回審議会でも「誰がそれを担うのか」という議論がありました。
誰かが担わなければならないことは自明ですが、行政には行政の出番があるのです。観光推進本部に少なくとも2名〜3名の常駐スタッフ、観光協会に補助を行いあと一名の常駐または臨時のスタッフがおけるようにする。
あとは、目標を明確にしたボランティア組織を有効に立ち上げ、またガイドマスターを統括し育成し、さまざまなイベントと結びつけて運営を図っていくことが望まれます。
とくに宿泊をともなう客の誘致のためには、農家に限らず一定の指針に基づく「民泊」の推進を強力にすすめることが必要です。観光協会内に「民泊協会本部」(仮称)をおき、各種イベントとリンクした活動が考えられます。
次に、ハーブセンターの機構改革、あるいは民営化を軸に、抜本的な「花と緑のまち」への脱皮です。
私はこれが今後10年の池田町の観光の帰趨を決定する鍵だと見ていますが、ガイドマスターに匹敵するかそれ以上の強力なボランティア組織が牽引車となって、新しい町づくりの機運を作り出すべきだと考えます。

P9 (8)雇用と労働
中小企業が全てをしめる町の商工業では、今日の円高、経済危機の中で業績と雇用を守ることは至難の業といえます。しかし、だからといって、安易な派遣切りや人員整理などに走ることのないようにしなければなりません。既存の地場産業を守るとともに、新しい地元企業の育成、新規参入が行えるように基盤整備をすすめることは重要ですから、具体的な対応策についても商工会などと協力してさらに検討を深める必要があります。

基本目標4
p2  (1)住民福祉の向上
後半で頻繁に出てくる「障がい」「障害」の表記の統一が必要です。
今日の自治体の基本的責務の一つは「住民福祉」にあります。現物支給による福祉事業の拡充にどれだけの知恵と予算を投入できるかは、自治体の力量のバロメータともいえます。
従来池田町は「福祉のまち」としての一定の地歩を築いてきましたが、残念ながら12月議会での山本議員からの指摘にもあったとおり、いくつかの点で他市町村よりもかなり遅れた状態となっています。
池田町の独自の立場として、第1に介護・医療において予防的な施策をきめ細かくとること。第2に、自助・公助の及ばない高齢者、障がい者などについては、配食サービス、「サポートてるてる」の単価の引き下げ、外出支援策の充実、寝たきり・一人住まい高齢者のサポートなどに必要な予算措置をとることが重要です。
なお、これらについては、目的を明確にした有償・無償のボランティアの抜本的な拡充策も検討していく必要があります。また将来、介護家庭が増加することが当然見込まれますから、介護者への行政としての手当も考慮していくべきだろうと考えます。

基本目標5
p6 (5)消防・防災・防犯体制の整備
防災、とくに大地震への抜本的な対策が必要です。
災害時に頼りになる自治会集会所、公民館などの耐震化(比較的安く行えることが最近のTVで紹介されています)や、日常的な町民への周知徹底(家庭でそろえるべき防災グッズのPRなど)を急ぐ必要があります。

                                                             以上

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(別記1)

4.重点施策(改善案)
(1)町全体の土地利用のコントロール、街中の重点的な整備、郊外部の宅地誘導の3つを柱とした具体的な土地利用計画を策定し、これを着実に実行にうつします。
 「国土利用計画(池田町計画)」および「池田町都市計画マスタープラン」をもとに、現実に即した年次計画を策定し実行していきます。
(2)子育て世代の定着、高齢化社会への対応、交流人口の拡大をめざす「元気と魅力あふれるまちづくり」を、町民ぐるみですすめます。
 「池田町都市計画マスタープラン」および「池田町まちづくり推進プラン」に示された三つのプロジェクト(過快適居住創出プロジェクト、産業雇用創出プロジェクト、美しいまちじっくり満喫プロジェクト)にそった、行動計画にいっそう磨きをかけて実行にうつしていきます。

(別記2)

重点施策(私案)
@池田町の自然の生態系と里山を大切に守る。
A町民のいのちを守り大切にする。
B自然との共生にふさわしい池田町の産業を育てる。

第1の重点施策から引き出される基本計画
・池田町を全国一美しい町にするプロジェクトを立ち上げ、町・町民ぐるみで緑と花の町につくりあげる。
そのため、ハーブセンターを中核に、町民ボランティア、自治会、観光協会などの活力をくみあげ、一つの運動体とする。この作業は、町民が誇りにできる町づくりの基本をなし、観光、商店街の活性化の鍵ともなる施策につながる。
・荒廃桑畑を単にぶどう園だけにするのではなく、その周辺あるいは一定の範囲を「森と花」の自然園として整備し、町民が憩えるゾーンを形成すること。これは若者や退職者などの町への誘導の一つの大きな力になる。
・陸郷、広津、大峰高原の植生と山里を守り、自然景観を保存する年次計画を策定し、実行する。他市町村からのボランティアを含めて池田の自然保護のモデルとする。「町立自然公園」(仮称)の指定も考えられる。これは、今もそれぞれの地域で頑張っている人々を励ますことになる。

第2の重点施策から引き出される基本計画
・今後高齢者層の増大が必至の状況から10年後を見据えて、福祉政策を抜本的に充実し、長野県に誇れる福祉の町にする。また、子育て、教育の施策も将来への投資ととらえ、町民が安心して子育てができる町にすることが必要である。
このことは、全国の小さい自治体でもやっていることであり、池田町でも創意・工夫を凝らして教育・福祉のまちといえるにふさわしい先進的な取り組みをすること。
・これも「福祉ボランティア」「子育てボランティア」の力が発揮されるべき分野である。ボランティアについては、目標を明確にしてその創意・工夫・情熱が最大限に発揮できる条件をつくることがのぞまれる。

第3の重点施策から引き出される基本計画
・池田町の基幹産業である農業を守り、発展させる。自然との共生の観点から有機・無農薬への指向を強めること、土作りを大きく発展させ、一つの産業として創出すること。その際、農業従事者の知恵と力が大きく求められる。国に対して「アクセス米の輸入停止」「米の価格保証」などを強く求めていくことも必要になる。
・林業育成、山を守るためのあらたなとりくみ。
・景観を生かした町づくりを進める過程で、新しい仕事や店、企業の誘致への意欲を引き出すことが可能となる。