バラ植え付け・剪定講習会 3/14

寒冷前線の通過でものすごく寒くなった今日3月14日、池田町創造館の庭で「バラ」の栽培講習会がひらかれました。
30人定員の募集の際には私が最後で、しかも5名オーバーの最後。とにかくバラ愛好者がたくさんいるということにびっくりでした。
当日も3/4は女性で、寒空にもかかわらず本当に熱心に講師の話に耳を傾けていました。
講師は安曇野市在住のバラの造園家、進藤健さん。話すことは得意でないといいつつ軽妙な語り口で参加者を引きつけていました。
まず、講習はバラの植え付けから。大きな鉢に畑で育てた苗を植え付けるところからはじまりました。
「このくらい大きな鉢だと普通3カ所に離して植えたいと思うだろうが、実は根を寄せて植えた方がいい。問題はいかに株を固定するかです」と進藤さん。買ってきた株の根の土を軽く払って根を広げて植えること。接いだ部分を沈めてしまわないようにすることが肝心だということです。
続いて大事なことは、バラの株の固定。根をしっかり押さえ込んだあと、支えの棒を立ててそれに枝を固定していきます。
植えたばかりのバラは、できるだけ枝を剪定しないこと。むしろ葉をしっかり出させ、光合成を促すことが肝心なのだと強調されました。
固定する縄は植物素材の麻縄が最適だそうです。白いポリエチレンのひもや金属はバラの成長に悪いので使わないこと。棒が土に固定され、さらに枝を棒に固定し、枝もからみあうことでしっかり全体が固定されるのです。
こうして固定されると花のつきが断然よくなるというお話。
続いて昨年植えたバラの手入れ。素人目には枝が縦横に伸びて収拾がつかないように見えます。
ここでもまずかんじんなのは株をしっかり固定すること。一株だけの場合は風でなびきやすいので、太めの固定木を斜めに差し込む。
そのあとは、二,三本の枝をまとめて結わえていく。トゲを絡めるように、しかし相互に傷がつかないように注意しながら形を整えていきます。
その上で、いちばん上の茎が伸びきったところを切りそろえていくのですが、あまり深く切らないで、むしろ葉が生えそろうように面をつくることが大事。この段階では光合成が最も重要な要素になるということです。
この日、私は我が家の「アンネのバラ」の鉢植えを持ち込んでいました。後で聞こうとおもっていたら、ちょうどいい材料だからというので、形を整えるコツを教えてもらうことができました。
ポイントはやはり株の固定。できるだけ太い材木がいいということです。次に、枯れた枝や突き出た役にたたない枝を根元からきちんと切ってしまうこと。さらに枝が生き別れにならないように、枝を麻縄で相互にしばり寄せ合うようにすること。最後に、上部が面をつくるように切りそろえて日がよくあたるようにすること・・・。
これを見ていた市民タイムスの記者が、私にインタビューをしていきました。「どうですか、目から鱗ですか?」「そうですね、何にも知らないでただ切ればいいと思っていましたからね・・」とややおきまりの返事。明日の新聞にでるのですかね。
創造館前での講習に続いて、建物の横に植えてあるかなり年月のたったバラの手入れです。
つるバラの場合は、太い枝から支柱に「自然さ」を損なわないように沿わせていくことがまず重要だということです。それに、それより細い枝を次々と沿わせ等間隔になるように固定していきます。
このくらい大きくなると上の方にかなり花芽ができているらしいのですが、それが咲くかどうかは、しっかり固定されているかどうかにかかっているとのこと。
あとは同じことをくりかえし、面ができるように形を整えていくこと。
続いて、参加者は美術館前に鉢植えされている茂みに行き、今度は剪定の講習。
「このくらい成長していると、どんどん思い切って剪定することも大切」と講師。まず、基礎剪定として、下の不要な枝をどんどん落としていきます。まわりの枝と不釣り合いな細い枝や、中に向かって垂直に伸びている枝をまず落とします。
一回りすると、すっきりして見違えるようになります。
次に伸びきった枝をそのままにして、それらを一つの方向に誘導します。
最初に軸になる太い枝を二,三本束ねてひもで誘導。あとはそれに沿わせるようにまた二,三本ずつ束ねた枝を重ねていきます。
剪定と誘導の方法にはそれぞれ個人差があるから、一つの方法としてこのようにしてみたということでしたが、つるバラの場合はいろんな仕立て方があるものだと感心。
この鉢植えは相当に株が大きいので、一部はこれに沿わせるとしても全部は無理なので、あとはまた上に伸ばす部分、切りそろえる部分と工夫をするのだと話していました。
最後にもう一度全体を剪定。面をつくっているので、それと合わない枝は切り落とすこと。全体を仕立てる中で、切るもの残すものが自然にはっきりして来るということでした。見ているほどには楽ではないことは明らかですね。
このくらいの株になると、絶対に肥料をやってはいけないというので、またびっくりでした。要するに光合成をしっかりさせることできれいな花を咲かせるのだそうです。
寒い中参加者は熱心に質問をしながら作業に見入っていました。
最後に進藤さんは、花芽がでてきたときに葉の裏にスミチオンを一回、それから一週間後くらいにもう一回、都合2回消毒をする必要があると言っておられました。ゾウムシはにおいのあるものが嫌いなので、木酢液などでもいいそうです。
バラ園を構想している私としてはなかなか興味の尽きない講習会でした。