古舘 よろしくお願いします。
石原 どうもご無沙汰しています。
古舘 聞きたいことはあるんですけど、まずは東京にかなり地震がきたらこれはえらいことだと思っている人は沢山いると思うんですけど。
石原 そりゃそうですね。
(このあと地震関係の会話。省略)

古舘 大変と言えばイラクは戦争状態に突入ですよ。
石原 戦争というか一種の内戦の様相でしょうな。
古舘 イラクから撤退した方がいいという人が60%近くいる。派遣延長を支持しないという人がいるわけですよ。
石原 原則的にあそこの戦争に参加しているのではなしに復興の援助をしているわけですからね。それが支持されている限り自衛隊がしりごみして帰る必要はないし帰るべきじゃないと思うね。
古舘 そうですか。コンテナの下で地下掘って亀の子のようにしているんだったら帰ってこいと石原さんだったら言うかと僕は思っていた。憲法も改正してきちっと整えてからだと言うかなと思っていた。
石原 憲法なんてのはね他人が作ったひとつの条文・文言でしかなくてね、現実に何が起こり人道主義にのっとって日本が何ができるかを考えた方がいいんじゃないの。私は憲法なんてちっともありがたいと思わないね。そのおかげでいろんな問題が混乱して起こっていますよ。わけのわからないわいせつな文書が氾濫している。<中略>今の憲法は他人がつくったものだから歴史的な正当性があるかどうか国会で投票させたらいい。正当性があるという人がいたらお目にかかりたい。歴史的に正当性のないものだったら、一回破棄してある年月限って日本人独自で作ったらいいじゃないですか。
古舘 アメリカ人がつくったからいやなんですか、石原さん。
石原 いやなんじゃない。いろんなまちがいがあるし、だいたい醜い前文でつづられていてね。
古舘 まあ、それはそうかもしれません。もとにもどして日米同盟。アメリカの言うとおりにおつきあいして・・。甘いと言われようが人は殺さない、殺させてはいけないと思うわけですよ。それでいうとアメリカにピタ〜とくっついて復興支援の名の下にとか非戦闘地域とかいろんな理屈はつきますけど、ずっと自衛隊行かしていていいんですか。
石原 イラクの問題が起こる前に日本自身何が起こってきたの。状況証拠で150人の人間が行方不明になってほとんどが誘拐されて北朝鮮に連れて行かれほとんどの方がなくなっているでしょうよ。外務省の幹部も言っているのは我々にできることはジェンキンスの親子をかえすことだけですと。あとはなくなった方がこうですということぐらいしか。そうだと思いますよ。北朝鮮は適当なことをいいつづけて、自分を自分で袋小路においこんだ。日本の政府も日朝正常化などと馬鹿なことをいいだしたものだから、引くに引けなくなってここまできたけれど、いまさらこれだけの人が死にましたなどと向こうもいえないでしょう。しかし、だんだん嘘もつききれなくなってくる。何、日本が経済封鎖したら日本を火の海にする?するかしないかも、できるかできないかもわからない。そういうもののときのガードを誰がするか。日本が従前にするかというとできはしませんよ。仮に向こうがミサイルを撃ってきたときに報復の手段があるんですか。ないですよ。泣き寝入りするんですか。(その後尖閣諸島の話)尖閣諸島で何か大きな紛争が起こったら日米安保条約を発動するといってくれているけど、にわかに信用できない。アメリカが行動を起こしてくれなかったら国土を守ることはできない。そういう負い目ってあるのが日米関係でしょ。だったら自前の軍隊をもったらいいが、それは遅すぎる。そういう日本が現実に直面している、そのときに日米安保というのが有効に発動することを望むし・・。
古舘 中国経済がここまで盛り上がってきている、まさにそのときに石原さんが言ってきたようにノーと言える日本人という部分を見せつつ、今度は中国を見据えて中国とうまく折り合うという可能性はゼロなんですか。
石原 折り合う方法はあるでしょうよ。しかし、日本人はどうして中国の経済を過大評価するの。経済というのは上流、中流、下流という流れがあるの。上流というのは新しい技術を開発しデザインし試作品を作って新製品を誕生させる。その能力は中国にはない。ほとんどない。中流というのはいったんできたものを多量生産する。これは中国のチープレーバーでできますよ。非常に非人間的な組合を一切許さない、そういう物でできた製品が氾濫しているだけで。下流の自分の製品を正当に流通に乗っけて世界に宣伝する。その能力も中国にない。あるのは非人道的、共産党の独裁の中で・・。あの国のいびつな経済はそんなに続かない。
古舘 都市と農村の経済格差はあるでしょう。しかし、鉄であろうが甘栗であろうがコンビニであろうが中国のおかげで景気がもりあがっているわけじゃないですか。
石原 商売ってそういうものじゃないですか。日本がなかったら中国持たないじゃないですか。日本が売ってやっているから中国の経済が持っているんじゃないですか。
古舘 買ってもらっているから日本の経済がだいぶあがってきたじゃないですか。
石原 日本の製品が出回っているから中国の経済が維持されているんじゃないですか。経済って行ったり来たりの問題ですよ。
古舘 中国、気を遣いながら外交でうまくやらないと、いつまでたってもアメリカにノーと言えないんじゃないですか。石原さん。
石原 気を遣っているじゃないですか。遣いすぎるほど遣っている。
古舘 靖国問題でも気を遣っていないと僕は思うんだけど。
石原 気を遣う必要ないですよ。あれは日本の文化の問題だよ。おまえさんまた変なことをいうんだね。もうちょっとましな番組になったかと思ったけど。
古舘 そんなあ、まだ半年しかたっていないのに完璧になれるわけがないじゃないですか。俺が。
<コマーシャル>
古舘 石原さん、天皇陛下がね。この前園遊会で国旗国歌に関して国歌が強制すべきでなくと言うニュアンスのことをおっしゃった。自然だなあと僕は感動したんですよ。
石原 それはその通りでしょ。しかしね。一方国の法律で国歌は君が代としね、国旗は日の丸だよと法律で決めた。義務教育の段階で私たちは師弟に日本人としての教養素養の根底を作るわけですよ。そこのところでは教育の指導要綱としてうたわれているわけですよ。それを実行しない先生は公務員なんですから、公務員として責任を取ってもらうということを教育委員会はやっているだけですよ。これは強制でもなんでもない。先生として責任をとってもらう、すべきことをしてもらっているだけのことです。
古舘 強制と言うんじゃないというなら強要じゃないんですか。
石原 いや、指導しているわけですよ。生徒がそれに従うか従わないか別としても先生はそういう義務があるんですよ。
古舘 そうかなあ。
石原 そうかなあじゃない。きめたんだから。
古舘 自由にまかせればいいじゃないですか。
石原 自由にまかせる、そんなばかなことがありますか。どこの国だって自由に任せるなんてやっていませんよ。
古舘 学校で日の丸を掲げなくてもアジア・カップで若者は日の丸をふっているからいいじゃないですか。
石原 そりゃあなたのいうのはおかしいと思うよ。どうかしてんじゃないの、君。
古舘 敗戦のくやしさとか、石原さんのように生まれながらの才能があってという人と違う大多数の人は戦争は体験してないはですね・・
石原 これは日本の国歌ですよ、日本の象徴ですよと教えればいいじゃないですか。教えるために行事の時に国歌を歌いですね、国旗を掲揚するわけですよ。
古舘 歌いたくない人は座っていてもいいじゃないですか。
石原 生徒が座っているのは勝手ですよ。それを指導するのは先生の責任でしょう。
古舘 でも天皇陛下は・・
石原 天皇陛下は一般の話をしていらっしゃるわけだ。
古舘 自然がいいじゃないですか。
石原 自然は義務教育を終えてからの話だ。
古舘 でもね、その果てにという恐怖感があるわけですよ。
石原 これはあなた方の一つの幻想・妄想であってですね。
古舘 これからも日米同盟強化するんでしょ。アメリカ嫌いだと思っていた石原さん。
石原 アメリカ嫌いじゃないよ。日米関係で言えば嫌いなのは日本だよ。
古舘 極東どころでない。日本はアメリカの地球半分くらいの出先機関でしょ。ちょっと怖いわけですよ。そういう人は一杯いるわけですよ。
石原 アメリカのイラク出兵についてはいろいろ意見があるでしょう。しかし、それによってフセインというサリンガスで何万という人を殺した独裁者はいなくなった。それが引き金になってハンチントンのいう文明の衝突になってですね。これはもうアメリカとイラクの問題ではなしに、イラクでテロをやっているのはほとんどイラク国民以外の人間でしょ。そんななかで治安を一番要求しているのはイラクの国民だと思う。それを陰でするのが自衛隊のような役目であって。文明の衝突になってしまった状況の中でテロはもっとあちこちで起こるでしょうよ。それが大きな紛争に拡大しないためにアメリカは軍事力を背景として世界の警察官か何か知らんけどそれだけの責務はあるでしょう。してもらわなければ誰がやるんですか。野放図にしておくんですか。テロを。
古舘 9.11があったからと言って国連無視して単独行動主義で、大量破壊兵器もあるかないかわからないのにアメリカがイラクにつっこんだところに問題があるんだから、そもそもアメリカつっこまなければよかった、自衛隊がくっついていかなければよかったじゃないかというところはありますよ。石原さん。
石原 それはそういう意見もあるだろうさ。私はそうは思わない。今の政府も思わない。多くの日本人もそれを支持している。こんなフリップだけで多くの日本人がということにはならない。
古舘 確かに自衛隊が派遣されるときは反対は少なかったわけですから。アメリカと現実主義でくっついていくしかないんですか。
石原 北朝鮮や中国やそのほかの問題でもこれからの軍事保障を日本が一人でしきれるんですか。しきれる力を日本が持つんですか。泣き寝入りするの。
古舘 いやそんなこと言ってないですよ。アメリカべったりでなく・・
石原 べったりじゃないのをどうやるんだ。
古舘 そういうのを石原さんがやればいいじゃないですか。アメリカにものを言えるでしょ。もっと立場が変われば亀井さんと仲いいんだし・・
石原 いや仲もよくないよ。
古舘 加藤紘一さん、古賀さん、亀井さん、あの3人がいるんだし。
石原 あんなもん、あの3人はダメだ。
古舘 あんなもんって、あの3人と陰で結構会合してんでしょ。情報交換やってんでしょう。
石原 情報交換はそりゃするでしょう。友人だから。
古舘 そしたらあの人たち小泉さんに対して抵抗しているところをより強くアピールしだしているから、イラクへの自衛隊派遣にも亀井さん期間延長に反対だと言い出しているんだから、そこで担ぎ出してもらえば・・
石原 誰が担ぎ出して
古舘 だから石原新党を
石原 ばかな
古舘 何がバカですか。ねらっていたんじゃないですか。石原新党を。期待していたんですから。
石原 だから私は都知事をやったわけですよ。
古舘 石原さん総理大臣やりたかった人じゃないですか。橋本はもうこうやって衰えてきたじゃないですか。どうですか、これからもう一つ。こんなに元気なんだから70超えても。
石原 長屋の八っつぁんみたいなのダメ、あなた。
古舘 何、長屋の八っつぁんって。え、口調がですか。
石原 そうじゃなしに、短絡的でさ。
古舘 石原さんだって短絡的なところあるじゃないですか。問題発言ばっかりして・・結構。
石原 問題発言? 私短絡的にどんな問題発言をした?言ってごらんよ。
古舘 堀江謙一さんをペテン師と言ったり。
石原 あー嘘だと思うよ、あの人のやったことは。
古舘 自分が冒険野郎だからって、もうちょっと大きい器で許せばいいじゃないですか。堀江さんを。
石原 そりゃおかしいよ。本当の行為者の本当の記録というのはちゃんと登録されるわけですから。
古舘 日米同盟現実主義だけでは石原さんらしくないなあ。
石原 あなたあっちへ行ったりこっちへ来たり、跳んだりはねたり、もう少し落ち着いて話をしなさいよ。
古舘 何いってんですか、跳んだりはねたりしなかった僕の意味がないじゃないですか。
石原 大事な番組をやってんだから。アスリートのぶら下がって落っこちる番組と違うんだから。
古舘 そういうのを見て大好きだよ、君のファンだよと言ったじゃないですか。
石原 君のファンだよ。だけど。
古舘 あと何年かしたらどっしりしていますよ。ほんとに。石原さんもう一回チャレンジしてくださいよ。国政の方で。だってナベツネさんが引っ込む・・院政敷いているかもしんないけど・・西武のコクド側が・・ライブドアの堀江さんに膝ついて買いませんかと言ったっていう噂もある。古い独裁者タイプの人たちが引く時代だから、ここチャンスでしょう。割れ目。
石原 私は古いお殿様ですよ。
古舘 いやそうだけど、ちょっと違うのは、古いタイプの経世会がこうなっているのにとおもうからさ、浅はかかもしれないけど。
石原 あんなものとっくにダメだよ。
古舘 あ、とっくにダメだったんですか。石原さんチャンスですよ。
石原 ああ、そう、何やるの。
古舘 総理大臣ですよ。落ちてもいいから立候補ですよ。
石原 がんばろ。一回落ちたからな。
古舘 都知事だって、美濃部さんのとき一回落ちて都知事になってんだから。まだあるかもしれないですね。元気だから。
石原 元気は元気だからね。
古舘 あと息子さんにもっとがんばってもらって。弟もいいけど、息子も。
石原 ううん。あの世代はもっとがんばらないとだめだよ。
古舘 石原さんがかんばらないと。引っ張って。
石原 私はいい年ですよ。
古舘 何言ってんですか。
石原 東京で手一杯。
古舘 こういうところにでて来てくれること自体パワーがある証拠ですから。まだ話したりないんでこんどまたでてください。 
石原 君はもうちょっと落ち着いて話さなければダメだね。
古舘 いつも落ち着いているんですって。今日はちょっとわーとなっているんですよ。石原さんが来て。どうもありがとうございました。
石原 もうこれで終わりか。