安曇野の白鳥[12月]      | 戻る | ホームへ  |

穂高町の田んぼにやってきた数百羽の白鳥。カモは全くいないので実に壮観です。
道路脇にはこの田んぼの持ち主と思われる方が椅子にかけてじっと白鳥を観察していました。聞くと、あまりにも白鳥が多いので、隣のもう一枚の田んぼにも水を張っているのだとか。
確かに水を張った田んぼからはみ出した白鳥たちが泥の上を歩き回って水田をつついていました。
ここには形は白い成鳥と同じだけれどまだ白くなっていない子どもの白鳥も沢山見られました。キョロッとした顔を上げてこっちを見ている姿はどこか愛嬌があります。
よく見れば本当に首が長い。白鳥はやっぱりこんな風にスッと首を伸ばし悠々と泳いでいなければ。ただ、ここの白鳥は泥水の中にいるのでどことなく薄汚れていてかわいそう。羽根は水や汚れを強力にはじくのですが、さすがに長くここにいるせいか田んぼの灰鳥になってしまっているヤツもいます。
ゆったりと泳ぐ姿が見たいのですが、みんな餌をついばんで首を水の中につっこみ、首なし白鳥になっています。これじゃネッシーみたいだ。
ときどきバタバタ羽根を羽ばたいているものもいます。
これは羽ばたいている1羽の白鳥だけを取り出してちょっと私のイメージを加えて修正・加工した写真。ほとんど実物ですが、周りの白鳥を消してあります。
羽根を一杯に広げた姿はなかなか素敵ですね。
飛行訓練をした後着水するところ。ときどきグループで周りを飛び回ってまた戻ってきます。飛ぶことを忘れないようにしているのかな。
日が沈むと白鳥たちはそれぞれグループ(ファミリー?)ごとにねぐらの河岸に帰っていきます。
この写真は離陸する瞬間。飛び立つ姿は本当にかっこいいです。ほれぼれします。
どうやってグループが「せいの」で一斉に飛び立つのか不思議でしたが、よく観察していると面白いことに気がつきました。グループのお互いが(たぶんリーダーの合図で)首をコックリコックリしあっているんですね。まるで「もう帰る時間だけどみんな準備はいいかい?」「うんいいよ。いつでもOKだよ」と言っているよう。何回も何回もコックリしあい、同じ場所に集まってきて、同じ方向を向いて、あるとき突然一斉に水面すれすれに飛び立つのです。
白鳥の離陸。これを見たくて寒い中カメラを構えて待ち続ける人がいるんです。それはそれはすばらしいシーンです。何度も見たくなります。
まるで飛行機が離陸するように、まだ残っている群れの上空を大きく旋回して、そのあとねぐら目指して一直線になって飛んでいく様子はまさしく一幅の絵です。