何でもありの町長選挙なんですかね。今度は「明るい会」についてのとんでもないデマが飛んでいるといいます。この手のデマは、それなりに意識していないと流せないものです。
「池田町の共産党は後援会には入れないから、『明るい会』をつくって松沢を応援している。資金も党本部から出ている」というもの。先日のチラシと言い、このデマと言い、最低のやりかた。当選できればなりふり構わないという低レベルぶりです。これはさすがに無視できません。
まず、役場の職員のみなさんに、次いで町民のみなさんに、両方(「明るい会」「現職後援会」)のチラシをよく見比べてほしいということをお願いしておきましょう。
「明るい会」は直接後援会に入ってなかなか活動しづらい議員や町民有志によってつくられた勝手連組織。後援会ではなく「よりよい町政」をめざし、思想信条に関係なくつくられた個人加盟団体です。政策としては松沢陣営に共感し、ともに明日の町政をつくっていこうと話し合って、政策や町政上の問題点などについて検討しているのです。自民党支持者から無党派の人、共産党籍のある人までさまざま。根も葉もないデマにひるむような面々ではありませんが、何も知らない人は「やっぱり松沢は共産党か」とついつられて思わされる人もいないわけではないでしょう。共産党もまたこれには断固たる反論、反撃をしなければなりませんね。あまりに低レベルだから黙っていればいいなどと思っていると、どんどんエスカレートしてくる。
これまでの選挙戦の様子を振り返って何が問題になっているかを明らかにしておかなければなりません。
先日の現職のチラシによって、両者の争点がいっそう不鮮明になったと一般には受け止められていようです。むしろ現職がやる気になったとさえ、受け止められる可能性がありますからね。では、一体争点はどこにあるのか。
役場のみなさんや議員のみなさんならすぐに分かることが2つあります。
1つは議会での答弁と今回の大風呂敷とも見える「政策」「構想」との整合性です。まずこれは完全に分裂しています。
ここに書かれた多くのことは「カネがないからできない」と言ってきたことばかりではないですか。今回それを手のひらを返したように「あれもやります。これやります」とは一体どういうことなのか。しかも、数年後の「夢構想」まで。夢を描くのは結構ですが、財源抜き、現状分析抜きの構想には開いた口がふさがらない。
2つは、そのカネはどこから出てくるのかという問題です。
国の交付金?特定目的積み立て?財調のとりくずし?このままいけば際限のない借金地獄に陥ってしまいます。果たして現職はこれがおわかりなのでしょうか。
しかも、つい4年前「池田の財政は大変だ。夕張の二の舞になる」と言っていたこととの関連はどうなのでしょう。ちょっとばかり財調が増えたからといって、大盤振る舞いをはじめたらそれこそ池田町の財政は「夕張への道」(夕張のみなさんには失礼を承知で書かせてもらいました)に突き進んでいくのではないのでしょうか。これにまず現職は答えなければなりません。
もし答えられないなら、これほど町民を愚弄した「政策」はないことになります。
選挙戦を通して明らかになったことの2つ目は、両候補の品性の相違です。松沢候補については、一年以上ものおつきあいから、その情熱と実行力、頭脳の明るさはよく分かっています。誠実さは太鼓判が押せます。
しかしもう片方はどうか。これまでの4年間の「おつきあい」から見えてきたことは無数。
まず何よりも今回の選挙にあたっての現職またはその取り巻きから出てくる低レベルの「反共デマ」。よろしいですか。このウソとデタラメの言動の「質」こそ現町政の「質」なのです。
この際はっきりさせなければなりません。これは、揚げ足取りでも、陰口でもなんでもない、公的な場での誰もが知っている「不始末」その責任を追及して一向に構わないのです。もちろん節度をわきまえての話ですが。
「何も迷惑をかけていない」と平然と答えるのですから、池田町民もナメめられたものですよ。中には、これを告発するのは「池田の恥だから」と擁護しさえする。他市町村の方々は十分すぎるほど知っていて池田町の町民を嘲笑しているのに、です。もうちょっと怒ってもいいんじゃないですかね。私は真剣にそう思います。
「池田町町政研究会」は4年前、「一人あたりにすると大阪の2倍ほどの借金がある」「池田町は財政危機で一人あたり120万円程度の負債をかかえて、大変なことになっている。一人あたりにすると大阪の2倍ほどの借金がある。前町長はそれに対して何もしてこなかった。町政を圧迫している施設の民営化をはじめとして、財政再建にとりくむ」「町の発展には近隣の町村との合併はさけられない」と言って当選した現職町長に触発されて結成されたといっても過言ではない。それ以来、真剣にこの町の財政と向き合ってきました。
前町政の後半では、大型の公共事業も控えてきたために急速に累積債務を減らすことができました。おかげで現町政はそのおこぼれに預かって借金を減らしたかのように振る舞えたのです。
しかし、現町政になってから国からの地方交付税やその他の交付金が増えたこともあって一定の余裕が出てきた。それにあぐらをかいたのが現職。このままやれると踏んだのでしょう。だが、もしこの「政策」に沿って大判振る舞いが続けば、池田町の財政はとんでもないことになりかねません。
理由は簡単、臨時財政対策債をめいっぱい使って借金をすれば、表向き財源をつくれるからです。しかも、国からの交付金でいくつかの公共事業や町づくりができると踏んでいる。町の財政構造を根本的に変えることをせずに、これをやったら、そこから生み出されるものは後世へのツケだけです。私たちの研究会はこの点を明確にした上で、30年後を見据えた抜本的な池田町の創造計画を提出したのでした。
私たちの主張する「街中再生プラン」は、それだけが単独であるわけでは決してありません。
まず、美術館など既設の施設の徹底的な見直しで財政負担を極力減らし、場合によっては大幅に財源を作り出す政策を考える。
第2に、池田町をどのような町にするのかという点では、自然生態系を守り、農村・里山の良さを最大限に引き出す農林業政策とエネルギー政策を柱に置く、続いてハーブセンターと直売施設を軸に池田町の農業や商業の発展を促す。それらと結合して、街中の再生に取り組むという展望を示しました。
そして、これが決定的なのですが、計画を討議し、立案し、実行する主体はあくまで町民だということです。役場はコーディネートし、促すことに徹すべきです。もちろん議論をリードしていく局面がないわけではありません。事務局の果たす役割が重要になる場合もあります。それでも、松川村が「すずの音ホール」を建設した際のように、町民の意見が優先されるべきなのです。この点に自信もなく、すべて企画会社に丸投げしかねない現町政では、どんな計画も町民利益といずれは相反する局面を迎えることになる。池田町はそれだけのあやうい現状にあるということです。
こうした提言に謙虚に耳を傾ける意思があるのであれば、私たち町政研究会は現職であれ、新人であれ、喜んで議論のテーブルにつくでしょう。