到着したときは、普段より路肩に止めている車が多少多いかなと思う程度でしたが、そのうち大型バスやマイクロバスで到着する各地の「島ぐるみ会議」のメンバーが増えて、集会が中盤にさしかかる頃には200名を超えたようでした。
集会の終わり頃には那覇の島ぐるみ会議の40名ほどが大型バスで到着しましたから、ピーク時で250名くらいの参加になりました。
これだけ集まれば、機動隊も手出しできないし、工事も進めることができないようで、結局今日は機動隊の姿もほとんど見かけず工事車両もなし。中での作業の音が遠く聞こえるだけでした。午後からヘリが飛んでいたようでしたが、オスプレイの姿はありませんでした。
今日の集会の模様については、琉球新報の「辺野古・高江ツイッター」がいつになく克明にリアルタイムで報じてくれていますので、あとから振り返って名前などよく聞き取れなかったところもフォローできましたよ。
写真も、報道陣のアングルですから、私が隅っこから撮っているかわり映えしない写真よりよほど適切。従って私の写真はいくつかピックアップするにとどめますね。
例によって、歌あり踊りありの多彩な集会でしたが、今日のN1ゲート前集会の特徴は何と言っても翁長知事の「ヘリパッド容認」発言の直後のため、あらためてたたかう決意がみなぎったものであったこと、そして、いよいよ「12月決戦」を前に「本当の敵」安倍政権を追い詰めるための全国的な意志結集の場であったことです。
また、たたかいによって工事が思うように進行しておらず、12月22日の返還式もうわべを取り繕うものになるだろうことも明らかにされました。
まず、翁長知事の発言については、今日の沖縄タイムス紙が次のように伝えました。
翁長雄志知事は29日、米軍北部訓練場のヘリパッド建設で「苦渋の選択」との自身の発言が事実上の容認と報道されたことに関し、真意ではなく「不本意だ」との認識を示した。県庁で記者団に語った。
知事は、苦渋の選択は、オスプレイの使用が前提となっている「北部訓練場の返還(を容認すること)」だと説明。オスプレイを対象とした環境影響評価が実施されていないにもかかわらず、オスプレイが使用するヘリパッドが造られることは「容認していない」と述べた。また、1996年のSACO合意にはオスプレイの使用が含まれていなかったとし、現計画に関し「本来のSACO合意とは違う」との認識を示した。
しかし、翁長知事が事実上「容認」と受けとられざるを得ない態度をとり続けてきたことも事実ですから、これは言い訳としか響きません。
集会では、もし今日の表明が「真意」なら、オスプレイのための環境調査も行わず、以前の計画とは異なる杜撰な工事をやりながら県との協議にも応じない以上は、建設に反対するとの態度表明をきっちりと行うべきであることや、20日、22日に予定される返還式典には出席すべきではないという強い意見が次々と出されました。
「普天間基地の県内移設に反対する」ということにあわせて「オスプレイの配備に反対する」というのが建白書の基本的要求であり、翁長知事を当選させた「島ぐるみ会議」の基本的立場です。
SACO合意は、すべて代替を要求している悪質なとりきめですが、それと異なることが進行している以上、きっぱりと反対することは何ら合意違反でもありません。
オスプレイを前提としたヘリパッドを高江に造っている以上、これに毅然として対応するというのが知事の仕事でしょう。
「『知事を先頭にたたかっている』という言い方があるが、それは違う。先頭に立ってたたかっているのは、たとえばここに結集した県民なのだ。私たちが知事を選んだのだ」という言い方も聞かれました。知事が先頭になってたたかうべき局面があることは当然でしょう。その際も、あくまで県民の意志、要求を組むために、最前線でたたかっている人々の意見に率直に耳を傾けることが必要だという指摘もありました。その通りです。
知事がこうした煮え切らない態度をとっている背景には、高江の工事に対する県民の意識や本土からの批判などが極めて少ないという現実が横たわっています。水曜、土曜をのぞけば20人から30人、多いときで50人くらいですから、いくら高江が遠いといってもやはり少ない。連日数百名がつめかけ整然と抗議活動を展開すれば、事情は全く変わるはずなのです。反対しているのは「一部の活動家」だと言わせないだけのたたかいを組むことができるかどうか、12月最終決戦というならそのことが問われていると私には思えました。
今日の集会では1/3ほどは本土からの参加者だったように見えました。九州各県や山口県で「辺野古埋め立て土砂を運ばせない」運動を続けている団体の参加が目を引きました。
埋め立て用の土砂は県内だけではなく、鹿児島の離島や九州各県、瀬戸内海沿岸の各県から運ばれることになっているようです。辺野古で心配されてことのひとつが外来生物の侵入。すでにセイタカアワダチソウが蔓延っているとの報告もかつて聞きました。貴重な大浦湾を埋めたてること自体自然への冒涜であるし、やんばるの生態系に深刻な影響を与える可能性があるため、土砂の大量持ち込みは絶対に許すことはできません。
沖縄では、石垣、与那国などへの自衛隊配備がどんどん進められようとしています。
今日の集会には石垣市から平和な暮らしを守るために立ち上がった子ども連れの母親と沖縄戦を体験した高齢の女性4人が参加して、思いを語っていました。
やっぱり女性は強い。とくに子どもをもつ母親、戦争を体験した方たちは、安倍政権の狙いを的確に見抜いていますね。この中の石垣のおばあが正調(現地語?)「安里屋ユンタ」を歌ってくれて喝采をあびていました。
今日の集会でいよいよはっきりしたことは、12月22日に返還式を行うという一方で、ヘリパッドは全く完成の見込みがないことです。
リーダーの大城さんや土木工事に詳しい北上田さんも強調していましたが、ダンプで予定の倍以上の砂利を運び込んでいることも異常だが、加えていまだに大量の砂利を運び込まなければならないことや、芝をはがして補修しなければならないことを見ても完成にはほど遠い。
防衛局は、うわべだけを取り繕って完成したと見せかけること、完成したと報道することによってたたかいに水を差し県民を分断することなどが考えられる、たたかいはこれからだと強調していました。
集会では、「標的の村」の三上さんも参加していてしきりにビデオを撮っていました。
帰りがけ、辺野古に回って基地のキャンプシュワブの様子を見てきました。「高江ヘリパッド完成」を流した後は、いよいよ本丸の辺野古に彼らの力を集中するのではないでしょうか。
日が暮れてから、近くのラーメン屋に行きました。10日ほど前に初めて入ったのですが、とんこつラーメンが大変おいしい。
今日もとんこつと餃子を注文し、おいしくいただきました。代金を払おうと表示の金額を出したらそれより安い金額を言う。よく聞いてみると、今日は餃子半額の日なんだそう。なんだか得したような気になりましたよ。あと一回は来なくちゃね。