沖縄の基地問題を見ていると、かつてならば米軍が銃剣とブルドーザーで住民をほしいままに蹂躙できたけれど、現在はそんなわけにはいかない。県民の不屈のたたかいが、さまざまな曲折を経ながらも一歩ずつ前進していることを感じます。辺野古新基地建設の可否を問う県民投票もしかりです。
権力が思うようにできないときにとる手段は「アメとムチ」と相場が決まっている。IT関連の技術がすすんだ今日では、それに一部住民の取り込みによるウソとデマという手法が現れています。
情勢が緊迫してくると、彼らの出番がやってくる。「住民の取り込み」と書きましたが、実際には「(とりあえず今は)役に立つ」プロパガンダの”専門家”がいて、住民の不満やいらだちにつけ込んで、一部の住民を引きつけているに過ぎないのです。バケの皮が剥がれるのは時間の問題です。
このところの首長選挙や県民投票をめぐる状況を見るにつけ、そのことが面白いように見えてきます。本土の住民の目にはほとんど見えないけれど、いざ重要な局面になれば、こちらだって同じような手法で住民分断が持ち込まれることは明らか。沖縄の出来事は決して他人事ではないのです。
県民投票をめぐって沖縄自民は迷走のあげく、県連会長の照屋守之県議が県連会長の辞任を表明して辞表を提出したと伝えられました。当のご本人が3択にしろと言いながら、それが県議会で提案されると「いずれにしても県民投票をする意義、そのものが3つの選択肢にすることによって薄まっているような気がしますよね。反対の人は、反対ですからね」(琉球朝日放送)と、まさに「県民投票阻止」のホンネを恥ずかしげもなく披露。こんな人は県議も辞めてもらわなければなりません。
1月12日には、「県民置き去りの県民投票〜私の郷土愛、祖国愛」と題する自民+ネトウヨ+カルト大集合の「大リレー演説大会」が開かれました(ネットでチャンネル桜が録画をアップ)。
弁士を見ても、もはや驚かない。こんな低レベルの人物たちしか集められないことを天下に公表したシロモノだからです。
その中にはちゃんと照屋守之・自民党県連会長がいるし、例の文書配布事件の張本人自民党衆議院議員の宮崎政久もいる。これらがどんな人物か、沖縄の人たちなら大抵は知っているはず。本当に呆れるほどの魑魅魍魎メンバーですからね。
この「ウヨウヨ大集会」の主宰者の仲村覚なる人物が、靖国神社の境内から「沖縄戦で散った英霊の志を引き継いで沖縄を守る決意を届ける」という触れ込みでメッセージを読みあげているところがYouTubeにアップされていました(もっとも217回しか見られていない。自分で何度も見ているのかな?)。
このメッセージ、聞くに堪えない(いやもう吹き出してしまいます)ものですけれど、私に言わせればこんな低劣な人物が県民投票阻止に担ぎ出されている(有用性があるんでしょうね)こと自体、どれほど安倍+基地利権に群がる勢力の側が追い詰められているかの例証ですね。
もともとこの人物は沖縄が中国の植民地になるという妄想の持ち主で、県民投票はその露払い=琉球独立工作が目的=だと思いこんでいるのだから救いようがない。
もと沖縄自民党の重鎮だった故翁長知事ら自民党「本流」を排除したあと、中央直結となった沖縄自民はネトウヨやカルト集団などとの結びつきを一層強めて、ウソとデマ、誹謗・中傷宣伝にやっきとなっている、それが現在の沖縄県議会の一部に現れているだけの話です。
まるで沖縄住民の隅々にまで亀裂が入り、混迷を深めているかのようにメディアが流すとすれば、それは自民・ネトウヨ・カルト連中の術中にはまり込む結果となってしまいます。本質を見失わないように気をつけたいものです。