中学生、高校生たちはちょうどテストのシーズン。終わったところもあれば、いままさに最中のところも。昨夜は高1から高3までの生徒7名が一部屋に集まってテスト対策とテストの反省をしていました。こんな日、私は概して暇になるのですが、昨夜はさすがにいろんな質問に対応しなければならず忙しかった。
デカい身体をしているのに豆みたいな図をかく子や、どれほど言っても解答(文章)にならない子、少しずつ芽が出てきている子・・・こうした一人一人にあった個別対応をしなければならないのはいささか大変ですが、こうした面倒見こそこの塾のウリですから、そこは譲れないところ。
さて、昨日の午後からは第10回策定委員会が開かれました。ずっと座っているのはきつかったのですが、やむを得ません。3時間半、次第に重たくなる足をだましだまし座っておりました。
今朝の信濃毎日は昨日の結果について次のように報じていました。
黄色での傍線は私によるもの。記事には誤り、または一面化があります。
事実は、@町民説明会にむけて「交流センター建設はアップルランド跡地が望ましい」という意見が多数意見であることを確認した。一本化は行ってはいない。A交流センターの規模を交流センター、図書館合わせて2000u程度としたいという町からの提案はあったが、これはあくまで大枠であり、ホールをどうするかも含め次期ワークショップの議論に委ねる。B昨日の議論では、道路についても町の素案に同意する意見が多数であった。
実はこのような報道記事があらわれるにはそれなりの根拠があります。それは、毎回の議事をまとめ、何を決めたのかを確認し、正確に記録していく手続きがないことによるものです。事実、何がきまったのかを判断するのに迷って、意見を求めてくる報道機関もあるくらいですから。
たとえば、前々回の投票は、町民説明会への方針を決めるために、策定委員の意向を知るためのものだというものが、今回ではいつのまにか、アップルランド跡地に建設することを多数決で決めたというように解釈を変えていくというように。もちろんそうしたいという力学が働かなければそうはなりませんけれど。
私自身は、修正案を含めた複数案を町民に示し、アンケート、パブリックコメントなどを行って十分意見聴取したうえで策定委員会としてまとめていくという手続きを踏むのであれば、アップルランド跡地に交流センターを建てようが、規模がどれほどふくらもうがそれは町民の選択肢だと理解します。
しかし、「時間がない」「策定委委員会に原案策定の権限が委ねられている」ということを理由に町民への情報公開、資料提供、意見聴取、意見交換などの手続きを省いて、多数決で物事を押し切っていくのであれば、私は最後まで今次計画には反対し続け、町民に審議のあり方の不合理性を訴え続けて行かざる得ないでしょう。
事実、先日も紹介したように、町の素案を示さずに修正案だけを羅列するという支離滅裂なやり方をやっているのです。そしてまた、ご丁寧にそれを擁護する発言もある。
アップルランド跡地に交流センターを設置するという論拠が、商業施設といっしょであれば人の流れを作り出すことができる「だろう」、公園は費用対効果で「問題がある」という程度にすぎません。修正案の論拠をきちんと検証したうえでやはりアップルランド跡地がよいというわけではないのです。
これが池田町のやり方だというのならば、もはや私には言うべき言葉がありません。
これまで6回の議論を経て、町民への説明責任という手続きの問題と並んで、気になるのは「お金」に対する感覚の問題です。これは自治体運営にあたる職員の側からも、町民の側からも同様の問題点が感じられるのです。
今回の計画で、町が提出している事業総額は約16億円。交流センターだけでも本体で数億円という途方もない金額をいま俎上に載せて議論しているのです。ところが委員会で議論を始めると、建物しかり道路しかり、まるで自分の采配でどうにでもなるかのような感覚に陥るのでしょうか、駒を動かすような話になってしまいます。これは極めて危険ですし、町民感覚から全くずれてしまっています。
私は作成委員会のなかで、繰り返し財政計画が重要であり、町の財源を考慮して身の丈の計画にすべきであることを訴えてきましたが、残念ながらそれは全くというほど議論にはならなかった。
この時点で私は予言しますが、事業費はおそらく消費税の値上げ分も含めて事業費は今の1.5倍ぐらいにふくれあがるんじゃないでしょうか。なぜなら理念と総枠で抑え身の丈の計画にしようという合意もできず、むしろ逆の話の方が中心になるのですから。
そんなバカなと思われる委員の方もいるかもしれません。では、こんなデータはどうでしょうか。まず図書館ですが、町の素案ではuあたり23.3万円になっており低すぎるということは前にも書きました。仮にこれを交流センターと同様uあたり30万円とすれば、これだけで4000万円の増額になります。また、交流センター・図書館の全体面積を2000uにすれば、現在の計画より70u増えますからこれでも2100万円の増額。建築費だけで6000万円の増加になるのです。この程度なら端金なんでしょうか。おそらくこのようなことに気がついたり問題意識を持ったりしているのは、町の幹部でもごくごく一部に過ぎないでしょうね。策定委員会では全く問題にもならないのでは?
これらの点でも、私は言うべき言葉をみつけることに大変苦慮しています。