午前中は今日夕方に行われる地域の自主防災会のための資料づくり。11月中旬に白馬村堀之内地区の震災体験を聞く「防災講演会」を予定しているので、その具体案、チラシなどの案を作成していたのです。
合間合間にテレビを見ていたら、朝日系列でのTBS系列でもいつものコメンテーターが出て、希望の党をめぐる話題でかまびすしい。中には結構本質をついた意見を述べる人もいて、それなりに参考にはなります。むしろこうした情報を含めて、しっかり現在の政局の動向を見定め、改憲・戦争への道と国政私物化をつきすすむ安倍暴走政治をやめさせる道をよくよく考えることが必要だと思います。
ところで、私の住む地域、衆議院長野2区の状況はどうか。残念ながら、これまで2年余にわたって営々と築いてきた「野党共闘」の方向が民進党S候補の希望の党入りで潰えてしまったというのが現状です。
これには地元で民進党支持者から猛烈な怒りと反発が起こっています。私も、これまで動向を見守るだけで批判を差し控えてきましたが、事ここに至っては言うべきことはきちんと言っておかなければなりません。
地元の支持者の意見も聞かず、希望の党の軍門に降るというS候補の情けない姿に、批判こそあれ同情したり擁護したりする動きはない。仮に希望を名乗っても、ただ背信者として指弾されるのがオチです。なぜなら、杉尾秀哉氏の当選にむけて野党4党でのスクラムを固めたことはまだ記憶に新しいし、何度も地元で開いた市民集会などで野党共闘への抱負を語ってきていたことを市民の皆さんはしっかり記憶しているからです。
S氏ご本人は「改憲に反対する気持ちも安保法制を認めない気持ちも持ち続けている」と語っているようですが、次に述べる理由から、どう弁解しようが、苦渋の選択だどと言い訳しようが、信用されるはずがありません。政治家として最も大切なものを投げ捨ててしまったわけですから。
第1。希望の党の公認を受けたこと自体、誓約書を認めて改憲・安保法制推進の側についたという証拠だし、言葉でごまかすことはもはや出来ません。
反安倍、野党共闘から親安倍・改憲勢力への変節、これが本質です。もっともブログをみても理念と書きながら理念・政策らしいものは何もありませんでしたが。変節の芽はすでに孕まれていたということか。
第2。希望の党は自民党都連会長の選挙区、公明党の選挙区、維新大阪の選挙区には候補を立てないが、立憲民主党の立候補者には「刺客」を送るという。これほど明白な裏切り行為、利敵行為はありません。ここから見えてくるのは、前原の左派切りと安倍擦り寄りの姿勢だけです。
一連の民進破壊を「想定内」と言うのですから、開いた口がふさがらない。政治家の中でもこんなのがゾロゾロでてくるのですねえ。彼は公党を破壊した張本人として歴史に刻まれてしまいました。S氏もその立場にすすんで身を置くということです。
第3に、希望の党が民進からの候補者を受け入れるについて、候補者に押しつけた
「政策協定書」なるシロモノ。中身もさることながら、これは完全な誓約書、踏み絵です。協定書などではあるはずがありません。「〜を誓います」なんですからね。
「身も心も小池に捧げます」という、まさしく北朝鮮ばりの中身なんですから。これを認めて、「いや私の政治信条は変わりません」「希望の党を内から変えていくのです」などという言い逃れが通用するとでも思っているのでしょうか。
第4に、誓約書の中身の問題。これまで主張してきたことと180度異なる文面が書かれています。自民党よりも右ですね。小池百合子の面目躍如という差別主義的文面を確認して印をついたのでしょうか。だとすれば、もう候補者をやめるしかないではありませんか。それが有権者・支持者に対する責任の取り方というものです。
第5、希望の党には党内民主主義はありません。全くの小池私党。だから、都民ファーストで都議選から3ヶ月しか経たないのに離党者が出る始末。それは当然のなりゆきです。
だいたい、先日発表された規約案では、最高議決機関としての党大会の規定がありません。両議員総会を最高意志決定機関と位置づけるというのですから驚きです。さらに代表が指名する「ガバナンス長」といういかにも小池百合子好みの制度を設け、代表以外に執行権限を集中させるという仕組み。
こうした運営に普通なら異論が出ない方がおかしい。しかし、この党では小池に逆らうことは許されないのですから、これでは党内民主主義はゼロということです。果たしてS氏はこのことを認識なさっていたのだろうか。もしそれも認めているのなら、手続き上の問題でも思考停止状態に陥っているということに他なりません。
今日のしんぶん赤旗には、埼玉5区から立憲民主党として立候補する枝野幸男氏に対して、共産党は予定していた候補者を取り下げ協力してたたかうことを決めたと書かれていました。それも「連帯のメッセージとして」というのですから、共産党も粋な計らいをするものです。もちろん党本部が一方的に決めるのではなく、共産党の予定候補者と地元の後援会などとも相談して決めたと書かれていました。
昨日中央委員会総会を開いて総選挙方針を議論し全国一致団結してたたかう姿勢を示した共産党と、小池百合子の私党である希望の党とはどのような点でも比ぶべくもありません。
早晩行き詰まりをみせ、支持を失っていくことになる(その兆候はすでに出始めている)小池「新党」に彼らはどんな「希望」を見ているのでしょうか。もはや成り行き任せということなのでしょうか。「政治家の劣化」が叫ばれて久しい昨今ですが、その傾向に拍車をかけるような出来事に、有権者からの強く鋭い批判が向けられるのは必至です。
昨日から今日にかけて、長く民主党、民進党を支持をしてきた何人かの方々と話す機会がありました。一様に怒り心頭のご様子。それも当然です。野党共闘で結束を確認してきた私たちよりも、つきあいははるかに長く、しかも当選を期して一心不乱に努力されてきた方々ですから、その失望感たるや推測するに余りあります。
それらの方々と話し合ったのは、公示前の「今ならまだ間に合う」。立憲民主党でスジを通した枝野氏に習って自らの信条に沿って希望の党からの出馬を思い直すべきだと本人に伝えようということでした。
その場で秘書の方に電話をして、その意志を候補者本人に伝えてもらうことにしましたよ。秘書の方に責任があるわけではありませんが、彼は「申し訳ない」の一点張り。それはもうそう言うしかないでしょうが。
どちらの支持者の方も、「もし候補者本人が翻意されない場合は、もうこれで候補者とは金輪際縁を切る」とまで伝える怒りよう。こっちがたまげてしまうほどでした。
魑魅魍魎が跋扈する一部政界の力学と、民衆の思いとはそれほどの違いがあるということをS候補、思い知っていただかなければなりません。
私としては、もうこれ以上「希望」について書く気はありません。あまりに杜撰で見るに耐えないからです。
最後に書いておきたいのは、今はもう落ち目の小池の狙い。結局彼女の思惑は公示前ぎりぎりで誰か複数の大物人物から立候補要請があったという派手な演出をし、大阪の橋下あたりを都知事後継に据えて、自ら衆議院に打って出る。サプライズを演出して自ら総理を狙うという構図くらいかなというところ。彼女ならそれくらいはやりかねない。
橋下の書いているものをみれば分かるように、彼なら任せてもいいと小池は考えるかもしれません。やりたいようにやらせる。そのかわり、自らは「自分では100%その気はなかったが、後継者を含めて強く強く要請された」という口実で国政に進出するという筋書き。
もしそれが出来なければ、仮に「希望」がそれなりの議席をとっても、早晩四分五裂、解体ということになっていくのでしょう。さらに、もし前にかいた筋書きだとしても、都政を投げ出した張本人として、新しい後継とともに、都民からは厳しく断罪されざるを得ない。都政自体がすでに停滞、混迷の域に入っているのですから。
主権者たる都民、市民を置き去りにした彼ら、「政治」の意味をはき違えた者たちに結局未来はありません。