報告は、まず大統領にとっては決断時間がせいぜい10分しかないので、果たして地上配備のICBMをロシアに向けて発射できるのかと疑問を呈し、アメリカの陸上配備型ミサイルはすでに知られた場所に固定されているため、米戦略立案者は、ロシアが第1撃で破壊し報復攻撃できないようにするだろうと予測していると書いています。
米国は戦略核兵器を3つのジャンルにわけて「3本柱」の政策を立てています。1つは戦略爆撃機による空中発射巡航ミサイル、2つは地上発射大陸間弾道ミサイル(ICBM)、3つは潜水艦発射弾道ミサイルです。
軍備管理の専門家によれば、このうちICBMが最も核戦争を偶発させる危険を持っていると分析、そのために国防関係の元高官、軍事戦略専門の学者、連邦議員等がICBMの全廃を主張するようになっているというのです。
トランプの性格が衝動的だということを反対の理由にする人もいるのだとか。さもありなんですね。
アメリカが現在進めている核兵器近代化計画では今後30年で少なくとも1兆2500億ドル(日本円で約139兆円)という途方もない資金をつぎ込むことになるというのです。そして新型ICBMを2030年までに実戦配備するというのですから、軍事産業にとっては狂喜乱舞するほどの軍拡計画となります。笑いが止まらないとはこのことでしょう。
さて、この記事はロイターの記者による特別報告という形をとっていますが、単なる私見ではありません。アメリカ国内で堂々とこうした論評が掲載され、偶発戦争の危険に警鐘を鳴らしているというのは大変心強いことです。
日本でこうした論評をきちんと表明している新聞社、通信社があるのでしょうか。国会議員に至っては、一部を除けばほとんど翼賛的になりつつあるわけですから、こうした疑問を差し挟むことすら思い及ばないのではないででしょうか。少しは見習って欲しいと思いながら、訳のわからないGoogle翻訳の手直しを一生懸命にやっていた次第。
さて、国内では昨日11月27日、「日本会議・日本会議国会議員懇談会設立20周年大会」がひらかれ、2000人が参加したそうです。
安倍自民党総裁も祝辞を寄せて「今年は、憲法施行70年の節目の年であります。憲法は、国の未来、理想の姿を語るものであり、国民的な議論が大いに深まることを期待しております。自由民主党は、国民に責任を持つ政党として、憲法審査会における『具体的な議論』をリードし、その歴史的使命を果たしてまいります」と改憲の決意を披瀝していました。
重要なことは、この大会で松田良昭日本会議地方議員連盟会長が述べた「九条の会や護憲派には負けられない」というコトバ。「全国289の小選挙区に改憲推進組織をつくり、来年の憲法記念日の5 月3日には組織をあげてフォーラムを開催し改憲の機運を高める」との方針を示したことです。
私たちには過去のたたかいの積み重ねと地域でのつながりを沢山持っているわけですから、それを土台にどう陣地を構築するのかを見定め、真剣にかつ大胆に足を踏み出すときなのだと感じます。